2010年6月12日土曜日

不良債権。

これは、先生の心の叫びです。
みんなには、どうしてもテスト前は厳しく接することになる。

もちろん。
分かってくれている人は分かってくれているでしょう。

でも、これを全員に期待するのは、
単純に先生の怠慢ですよね。

だから、言いますね。
まず、これを大前提にします。

「今の世の中、どうにかならなくなっちゃった」
こういうことです。

「職を選ばなければ、なんとかなる。」
「高望みしなければ、なんとかなる。」
今となっては、
「なってた」になってしまいました。

これは、全て前の世代からの「ツケ」ですね。
日本全体が騙し騙し、なんとかなっていたから、

「景気が良くなれば、なんとかなる!」

という、楽観論のなれの果てです。

もっと簡単に言うとですね、

お父さんの給料が毎月10万円しかないのに、
何年も、
「お父さんがえらくなったら、給料良くなるよね!」
という、とてつもなくハッピーな(?)考え方で
借金を続けてずっと30万円使ってたって感じですね。

生徒のみんなもわかるでしょう。
お金って、
あるだけしか使えない。財布と相談するのが当たり前でしょ。

少し考えたら、「ん…?」って思いませんか?
そんなに簡単にお金って借りられるのかな?

普通に考えて、借りたお金は返さなければいけません。
それって、貸した方も悪いんじゃないの?

その通りです。

だから、こうなった一番の犯人は銀行だと言われています。
銀行は、ずっと無策にお金を貸し続けた。
銀行の商売は、お金を貸して利子を得ることですから。

「バブル(=泡)」と言われた経済状態にあった時代が
今から20年近く前にありました。

今となっては、妄想とか幻想ですが、
日本の少ない土地と絵画を背景に、
普通じゃないレベルで景気が良かった。

会社の売り上げが良くなる

給料が上がる

みんなが物を買う

会社がもうかる。

このループがずっと続くと思い込んでしまった。
社会全体がそう思い込んでしまった。

銀行は、例えば、ある会社が新しい機械を買うために、
「500万円貸してください」って言われたら、
「社長さん、1000万円あればもっといい機械が買えますよ!」
っていう具合に、とにかく貸しまくった。

モチロン、担保を取って。
担保っていうのは、例えば、上の例でいくと、
500万円借りて、返せなくなったら、お金の代わりに、
お家をいただきますよ~っていう、保証、約束ですね。

これがまた、どうしようもないことになりました。
上でバブルって言いましたね。

バブルというのは、泡。
シャボン玉だったんです。
壊れて消えてしまった。

会社も、急激に売り上げが低下しました。
社員の給料も下がりました。
物が売れなくなり、どんどん景気が悪くなりました。

借金が返せなくなった人が、一気に増えました。
そこで銀行は、担保の回収に走ることになるのですが、
覚えていますか?もう一回さっきの会話を。

社長「新しい機械を買うので、500万円貸してください」
銀行「1000万円あれば、もっといい機械が買えますよ!」

ようするにですね…。

3000万円の価値の家を担保にしたら、
3000万円しか借りられないでしょう。
担保というのは、借金が返せなかったときのための保証ですから。
なのに、倍とか、3倍とかのお金を銀行は貸してしまった。
もうけるために。

当然、担保は回収されます。
家や会社を失った人がたくさん出ました。

それでも銀行は貸したお金の分を全く回収できませんでした。
3000万円の価値の家に対して、5000万円貸したでしょ?
それで借金返せなくなったから、
家を取り上げて売ることにしても、その時点で2000万円のマイナス。
だけど、それだけで終わらなかった。

3000万円の価値があった家が、景気が後退したために
2000万円の価値に下がってしまった。
そうすると?3000万円のマイナスですよね。

最悪ですよ。

だってね、景気が悪くなったら、給料が下がるわけです。
給料が下がりっぱなしの状態で、誰が家を買おうと思いますか?

銀行だって、担保の家をほしいわけではありません。
正直、持っていたって仕方ないものですからね。
早く売って、お金に代えたい。

さぁ、みなさんならどうしますか?
あなたが何か売りたいものがあるとして、
一番手っ取り早く売るためには?

値段を下げて売ることですね。

そう、値段は最悪の状態になりました。
…もうちょっとお付き合いくださいね。

3000万円の家なら、1000万円にすれば、
まだ買う人が出るかもしれない。

しかし、バブルの時は狂っていました。

例えば、工場をやっている社長さんが、
「もうかるかもしれない」と思って、
ホテルを建ててみたり、
旅館をやっている人が、ゴルフ場を経営してみたりしました。

そのレベルになると、数億円の規模になるわけです。
もう、借金を回収するとか、担保を回収するとか、
そんなレベルではすまなくなってしまった。

銀行は、それほど価値をもたない土地とか、
建物、ゴルフ場をたくさん抱えることになりました。

これを「不良債権」というわけです。

想像してみてください。
もうかるかもしれないと思ってゴルフ場を20億円で買って、
景気が悪くなってから、
「半額の10億円でいいから誰か買いませんか?」
って言ったって、10億円ですよ。
誰が手をあげるでしょうか。

高価なものほど、どうしようもなくなってしまったんですね。

会社はガンガン倒産しました。
小さいところは、銀行もつぶれました。

ただ、大きい銀行は国の援助で生き残りました。
銀行がつぶれたら、みんなが困るでしょう?

ただし、銀行を助けた国のお金は…
これも借金です(笑)。

どうしようもないのわかるでしょう?
そのツケが今も、ずっと社会の底辺にこびり付いているんです。

根拠のない楽観論ほど危険なものはありません。
本当に価値あるものしか、景気の悪いときは売れません。
逆に言えば、価値があれば売れるのです。

これは人間も同じです。
学生の時に自分という人間に価値をつければ、
どこでも売れます。
逆に価値を認められない人間は…。ということです。

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